自営業が長い調理師の転職は必ず失敗する⁉
最近、自分の店をたたんで企業に勤めたいという調理師からのご相談が増えています。コロナ禍でお客様が激減し、売り上げがなくなり、コロナ融資でなんとか食いつないできた。しかし、その返済がおぼつかなくなり、今のタイミングで店を畳む方が増えているのです。
なかには、30年以上お店を守ってきたけれど、やむを得ず閉店というケースもあります。
では、そういった調理師の方たちが企業に勤めるとなったとき、転職活動はうまくいくのでしょうか。
結論、7割は早期退職となります。※当社調べ。
自営業(個人店主)としてのキャリアが長くなればなるほど、そのリスクは増えます。その要因はいくつかあるので、順を追って説明します。
なかには、30年以上お店を守ってきたけれど、やむを得ず閉店というケースもあります。
では、そういった調理師の方たちが企業に勤めるとなったとき、転職活動はうまくいくのでしょうか。
結論、7割は早期退職となります。※当社調べ。
自営業(個人店主)としてのキャリアが長くなればなるほど、そのリスクは増えます。その要因はいくつかあるので、順を追って説明します。
①給料相場がわからなくなっている
個人店主の場合、ほとんどが個人事業主です。毎月決まった金額を「給料」として受け取っている人は少なく、ざっくり店の売上から経費を引いた分を「給料」としている方が多いのが実情です。
当然、売上ベースの感覚なので、年収と年商の境目があいまいになり、「年収1000万円」欲しいと平気で口にしてしまう方も少なくありません。さらに社会保険の仕組みもよく理解していないため、給料から保険料などが引かれることに違和感を持つ方もいます。
実際には「一人親方」として腕を振るえる規模の力量であっても、市場価値としては年収1000万円には届かないことがほとんどで、そこにミスマッチが生まれます。
(カウンター10席の割烹の大将が、外資系ホテルの総料理長ポストへ応募してしまう、ということも実際にあります。当然、選考を通過することは難しく、仮に採用されても、求められる規模のマネジメントを一人でこなすことはできません。)
当然、売上ベースの感覚なので、年収と年商の境目があいまいになり、「年収1000万円」欲しいと平気で口にしてしまう方も少なくありません。さらに社会保険の仕組みもよく理解していないため、給料から保険料などが引かれることに違和感を持つ方もいます。
実際には「一人親方」として腕を振るえる規模の力量であっても、市場価値としては年収1000万円には届かないことがほとんどで、そこにミスマッチが生まれます。
(カウンター10席の割烹の大将が、外資系ホテルの総料理長ポストへ応募してしまう、ということも実際にあります。当然、選考を通過することは難しく、仮に採用されても、求められる規模のマネジメントを一人でこなすことはできません。)
②組織のルールに従えない
決まった時間に出社してタイムカードを押し、決まった時間に上がる。そんな当たり前のルールが、組織にはたくさんあります。
しかし、これまで「自分が親方でありルールだった」個人店主にとって、他人が決めたルールに従うことは大きなストレスになります。
ルールに違和感があるなら、筋を通して意見を伝え、改善につなげようという姿勢も本来は歓迎されるものです。しかし、一人でやってきた期間が長いと協調性を忘れがちになり、主張ばかりが先行して「扱いにくい人」というレッテルを貼られてしまうこともしばしばです。
細かいことですが、冷蔵庫を足で閉める、味見用のお玉を洗わずに使い回す──自分一人の厨房だったから許されていたことも、組織では衛生管理・チームワークの観点から明確に線引きされます。その感覚の違いに気づかないと、「あの人、大丈夫か?」と周囲から距離を置かれてしまうこともあります。
しかし、これまで「自分が親方でありルールだった」個人店主にとって、他人が決めたルールに従うことは大きなストレスになります。
ルールに違和感があるなら、筋を通して意見を伝え、改善につなげようという姿勢も本来は歓迎されるものです。しかし、一人でやってきた期間が長いと協調性を忘れがちになり、主張ばかりが先行して「扱いにくい人」というレッテルを貼られてしまうこともしばしばです。
細かいことですが、冷蔵庫を足で閉める、味見用のお玉を洗わずに使い回す──自分一人の厨房だったから許されていたことも、組織では衛生管理・チームワークの観点から明確に線引きされます。その感覚の違いに気づかないと、「あの人、大丈夫か?」と周囲から距離を置かれてしまうこともあります。
③叱られることに慣れていない
個人店主だった頃は、自分が店のトップであり、誰かから指摘されたり叱られたりすることはありませんでした。
しかし組織で働くとなると、料理長として入社しても女将や支配人から厳しい指摘を受けることがありますし、一般職として入社すれば、上の料理長から叱責を受けることもあります。何十年も人から怒られた経験がないと、この状況への耐性がなく、一度きつく叱られただけで精神的に参ってしまい、退職に至るケースも少なくありません。
同様に、料理長として入社した場合も注意が必要です。これまでの厨房が「自分+パートのおばちゃん数名」という家族的な体制だと、本格的に部下を育成・管理した経験がないまま組織を任されることになり、教育がうまくいかず現場が崩壊してしまうこともあります。
事実、当社から旅館やホテルの料理長として個人店出身の和食職人をご紹介した際、およそ8割が早期退職、もしくは現場をまとめきれず組織崩壊に至っています。
しかし組織で働くとなると、料理長として入社しても女将や支配人から厳しい指摘を受けることがありますし、一般職として入社すれば、上の料理長から叱責を受けることもあります。何十年も人から怒られた経験がないと、この状況への耐性がなく、一度きつく叱られただけで精神的に参ってしまい、退職に至るケースも少なくありません。
同様に、料理長として入社した場合も注意が必要です。これまでの厨房が「自分+パートのおばちゃん数名」という家族的な体制だと、本格的に部下を育成・管理した経験がないまま組織を任されることになり、教育がうまくいかず現場が崩壊してしまうこともあります。
事実、当社から旅館やホテルの料理長として個人店出身の和食職人をご紹介した際、およそ8割が早期退職、もしくは現場をまとめきれず組織崩壊に至っています。
では、どうしたらよいのか
個人店主として長く腕を振るってきたこと自体は、決して悪いことではありません。問題は、10年以上の自営業経験のあと、いきなり企業に転職することにリスクがあるという点です。
だからこそ、次の2つを心がけてください。
企業側へ:求職者が個人店出身の和食職人である場合、必ず2~3店舗、タイミーなどで他の厨房・組織を経験してもらうこと。
求職者側へ:個人店出身であれば、転職活動を本格化する前に、まずはタイミーで2~3店舗、さまざまな厨房・組織の空気を体感してみることをおすすめします。
「自分は大丈夫……」という過信こそが、早期離職の種です。その過信を一度手放すことこそが、和食職人としての転職成功の鍵になります。
だからこそ、次の2つを心がけてください。
企業側へ:求職者が個人店出身の和食職人である場合、必ず2~3店舗、タイミーなどで他の厨房・組織を経験してもらうこと。
求職者側へ:個人店出身であれば、転職活動を本格化する前に、まずはタイミーで2~3店舗、さまざまな厨房・組織の空気を体感してみることをおすすめします。
「自分は大丈夫……」という過信こそが、早期離職の種です。その過信を一度手放すことこそが、和食職人としての転職成功の鍵になります。